一昨年(07年)の末に、中国のあるソフトウェア会社から第三者割当増資と投資に伴う技術提携という話しがあり、翌年(08年)の1月から日本のいくつかのIT関連企業に、その中国の会社を紹介しました。
当時の資料(中文と日本語の要約)が私のPCに残ってて、当時、その会社には外資企業は1社も資本参加しておらず、4000万元の第三者割当増資(その額の満額増資で株式の30%)を引き受けてくれる会社を探しておりましたので、私の方から日本企業に声をかけたワケです。
その会社は、
鄭州金恵汁算机系統工程有限公司(金恵)というソフトウェア会社で、7月から中国国内の全てのPCにプレインストールが義務づけされたフィルタリングソフトの開発会社です。
ネット上では、突然フィルタリングソフト(グリーン・ダムというソフトウェア)の搭載義務化が決定されたようなニュースが書かれてますが、既に昨年の2月には中国情報産業部のサイトでフィルタリングソフトの義務化が発表されていましたし、金恵自体が情報産業部でそのソフトウェアの認定を行うということも彼らから聞いて確認できていたことです。
私の北京のパートナーもこの金恵と打合せ後に「羨ましい」の連続でした。
その理由は、”政府との繋がり”です。
この会社が北京でも上海でもなく、鄭州市(河南省)に会社を設立した理由も、河南省政府との強いパイプにより、鄭州市の学校にフィルタリングソフト導入する認定を鄭州市から取り付け、それを皮切りに中国全土の学校のサーバへの導入を推進するという流れが当時既にできていたことです。
上記のように中国人から見ても"羨ましい"ソフトウェア会社なのですが、私の信用力の無さか、金恵そのものの信用度の低さか、中国企業の信用度なのか、結果的に増資を引き受けた日本企業はありませんでした。
日本でどの程度話題となっているのか分かりませんが、私が紹介させてもらった日本企業の方々は、今頃
「あの話、本当だったんだ」と思っているかもしれません。
さて、投資チャンスを逃すなんてことは、この世の中の常ですので、日本企業の決断うんぬんを言うつもりもありません。
ただ、仕事柄、日中企業間の"お見合い"(業務提携)を仲介する機会も多く、その度に日本企業から見た中国企業の"信用度"が問題になります。
(金恵のように、市場で既に10億円以上の売上を上げていたとしてもその数字の真偽を問うたり、政府人脈を疑ったり、という感じです)
でも。。。。
まっとうなコンサルティング会社が紹介する中国の民間企業の数字や人脈(販路)を疑ってみても何も前に進みません。中国企業側も、「疑ってる(信用されて無い)」=「下に見られてる」という意識になって、そのお見合いは中国企業側から断られてしまいます。
(今の時代、業績の良い中国企業には世界中に多くの"お見合い相手"がいるからです)
そもそも、提携しようとする中国企業を疑うなら、最初から中国進出を決断しないか、または上場企業(上場企業でも粉飾はありますが)との提携をお勧めします。
提携しようとする会社に疑いの目を持つことは"リスク回避"という意味では決して悪いことではなく、私も理解できます。
が、多くの日本企業は、その為に何度も何度も相手企業と打合せを行いますが、個人的にも3回打合せして分からないことは、10回打合せしても分からないと思ってます(人間も同じですね)。単に時間というコストの無駄だと中国企業も考えますので、リスク回避したければ、投資であれば段階的投資など別の方法を提案すれば案外すんなりいったりします。
私の知る多くの中国企業は時間を無駄にせず、『まず、前進すること』を望んでます。
一言で言えば、
まずスタートし、その後に問題が発生がしたら解決していくのが中国式。
最初に全ての問題・リスクを解決してから、スタートするのが日本式。
って感じでしょうか。。。
PS.
*参考までに、金恵のサイトが今日現在閲覧できなくなってますので、私が持ってる会社概要(07年版)を簡単に下記に。
■ 会社名:鄭州金恵汁算机系統工程有限公司
■ 設立:1997 年6 月
■ 営業本部:北京含意新悦科技有限公司(2006年)
■ 資本金:2000万RMB (約3億円)
■ 代表者:董事長兼CEO 趙慧琴(ハルビン軍事工学院卒)