日本・中国でのビジネスモデルを考える

日中間を行き来するビジネスコンサルタントのビジネスモデルやアイデアフラッシュ

「客人」意識での中国進出は失敗する


今月は日本から5社の"お客さん"が北京に来られる予定です。
各社とも目的は異なりますが、製造ではなく中国マーケットを狙う、中国で何らかのビジネスをスタートさせようという意識のある日本の"事業主"さんが来られます。


企業の方がわざわざ中国に来られる目的はビジネスです。
調査目的であれ、会社設立であれ、事業提携目的であれ、全て企業(=事業主)が他国で新規にビジネスを行う場合に、まず自社である程度の事前調査を行う必要があると私は思ってます。

が、残念なことに、全く裸の状態で来られる方が大変多いと感じてます。
例えば、
「自社の製品を中国で売りたい」
というのに、その製品の関税率も、認可が必要か否かも、競合他社の情報も調べず、ゼロベースの方もおられたりします。

また、
「既に中国に進出し、製品プロモーションをしたい」
というのに、予算も明確でなく、どんなことができるかメニューを考えて欲しいと・・・完全にプロモーション会社任せの方もおられます。
(10万の予算と1億の予算では、できることも、効果も全く違ってきますよって言っても同じです。。。)

簡単に言えば、
数回、中国に行ってみて、自社製品の評判を聞いてみて、ダメなら進出を諦めよう、評判良ければ、考えてみよう的な意識を持っている方(経営者でも、担当者でも)が多いということです。


でも、そのような企業の方でも、日本でなら、自社製品を売るために、何度も何度も得意先に足を運んで、プレゼンし、得意先からの仕様や価格の要求に応え、努力され、結果、日本では流通に乗り、そこそこ売れてる商品となってたりするんです。


なのに、中国では、同じような努力をしない。。。


なぜ、そうなってしまうのか?
昨年も延べ100人以上の日本からの"お客さん"が中国ビジネスのために私のところに来られ、その"お客さん"たちの行動を私なりに分析してみたところ、どうも『客人』意識があるのではないか?というのが結論です。


では、その『客人』意識とは、どういうことか?というと 
そして、日本人は、なぜ、中国で『客人』になってしまうのか?


中国に来ると日本企業が『事業主』であるにも関わらず、自らが『事業主』であるという意識が薄く、『事業主』というより『客人』という意識が上回ってしまうことです。

『客人』という意識になってしまう要因は、
一つは、多くの日本人中国という国を今まで製造国として見てきたことに原因があるのではないでしょうか。
私もメーカ時代に経験しましたが、日本から製造を依頼される="外注"という立場の中国人企業にとって日本企業は、日本から中国にお金を落としてくれる大事な"お客さん"です。

その場合に、中国企業としては、日本からやって来た日本人を”どうぞどうぞ”という具合に歓迎し、接待し、車を用意したりしてお客さん待遇をします。
長年それに馴れてきた日本企業は、目的が全く正反対なのに、中国に来るというだけで、お客さん扱いを脱却できないでいるのではないかと思います。


もう一つは、流通の仕組みで、日本だと代理店であったり卸売り業であったりが中間業者として入ることでメーカが直接販売するようなケースが少なかった為、メーカは代理店など仲介業者に対して自社商品を流していくような仕組みを作り上げてきました。

しかし、中国企業は、できるだけ中間を省こうとします。
となると、日本のメーカは、大手流通に対して直接営業するか、そうでなければ直接消費者へ販売できるようなメーカ直販の体制を作らなければなりません。

でも・・・多くの日本企業が、中国はまだ手探り状態(日本企業は何年も手探ってるような・・・)で、「どこか、うちの製品の代理店になるような会社知りませんか?」と言う話が先に出てしまいます。

つまり、事業計画も、予算も無いような日本からの『お客さん』が代理店という商品を買ってくれる『お客さん』はいませんか?という具合です。



中国市場で、自社の製品、サービスなどを売りたいということであれば、まず、『客人』意識を捨て、『事業主』であるという意識をしっかり持って望まないと、「うちの製品、万一、中国で売れたらいいなぁ。。。」っていう安易な感覚では、例え、私たちのようなコンサルティング会社が適切な提携先を紹介したとしても、すぐに中国企業に見破られてしまいます。

中国企業から
『御社は、中国でどんな体制で販売していく計画ですか?』
と質問された時に、少なくとも事業計画と相手(中国企業)のメリットぐらいは明確な答えを用意しておかないと、一度切りの訪問で終わってしまいます。




PS.
私の手元に、18年前(91年)に初めて中国に出張する前に、自らが調らべた中国のあらゆるデータと自己分析資料が詰まったノートが一冊あります。

当時は、インターネットも発達しておらず、図書館の本のデータを頼りに、工場視察の為、初めて訪れる中国の準備を必死に勉強していた若いサラリーマン時代の(私の)姿が、そのノートから読み取ることができます。
(当時は、仕事熱心だったのか、当時の方が今より賢かったのか???)

今は、ネットで、当時の何倍もの情報量を、当時の何倍ものスピードで調べることができる時代です。
中国で販売したい商品がある会社の方は、せめて自社製品の市場規模と競合他社情報ぐらいは調べておいてから出張に来られた方がいいんじゃないかって思います。

テーマ:中国ビジネス - ジャンル:ビジネス

コメント

日本のネットでは「ググレカス」^^;

ネット上での質問に対して、「そんなことGoogleで調べればすぐわかる」という回答がつくことがよくあるそうですが、「客人」意識も同類のようですね。ww

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