『日本に行かなくても日本の商品がネットで買えます』
このようなコピーと共に北京では既に三井住友のECサイトのTVコマーシャルが流れています。
ここ最近でも、ニッセン(+百度)、三井住友(+銀聯)、アクロディア(+百度)のプレスが続き、既にECサイト(モール)をオープンしてる企業も数多く、"日本商品を中国消費者に!"という流れが加速してきており、今後も増えてくるように思われます。
現在の世界経済の状況から、まだ内需成長率を維持している中国に対し最後の消費の砦として考え、その販売手段がECということなのでしょうが。。。
そこで、ECという手段が適切かそうでないかは別として、中国での日系ECサイトの勝機について考えてみましょう。
全体の流れとして、どの事業主体も日本企業に対して、決済や物流が楽ですよ、とか、サイト管理がしやすいなどの出店の容易さをアピールすることで加盟店、商品を増やしていく戦略は明確ですが、それらはあくまで日本側のことなので、実際に商品を購入する中国側でのチェックポイントをいくつか挙げてみます。
中国ECサイトビジネスで勝機を掴む10のチェックポイント
1]中国に無い魅力的な商品が揃ってるか?
競争力のある商品、オンリーワン商品でないと売れている(売れそうな商品)はすぐに真似されてしまいます。それでも、価格競争力があれば。。。
(*なぜか中国より安い商品が日本にも沢山あります。。が、物流費、関税、増値税を加えると価格競争力という部分では限られてきそう)
2]高級品、本物志向が売れるという幻想を抱いてないか?
基本的に富裕層(定義にもよるがほんとの金持ちたち)はネット通販を利用しない(少なくとも私の周りの富裕層では皆無)ので高額商品はなかなか売り難い。また、本物指向も口に入れたり、肌に直接つけるような商品でなければ何が本物かなんて関係無い。
(*特にアパレル系はすぐに真似されるのと、中国では日本メーカの"ブランド価値"は認知されてないので、本物志向が売れるという幻想は捨てた方が。。。)
3]ターゲット・価格帯を絞り込んでいるか?
何度もブログに書いてる通り13億人という全体市場をターゲットにすると失敗します。ターゲットを絞り、価格もユーザが買いやすい価格帯が中心にすること。上記のように富裕層がネット通販でモノを買うというのは幻想で、ターゲットをしっかり絞る必要があります。でも、ECサイトの場合は単純に年収でセグメントするのはどうか?と思います。
(*個人的には300元程度までの価格帯がベターだと思う)
4]需要を見極めるマーケティングと迅速な商品供給ができるか?
昨年からのミルク、乳製品の一連の問題や、最近では子供用の食器から有害物質が出たなんていうのが話題になった。そのような中国国内の情報を素早くキャッチし、"特需"となった時点で素早く対応できるような商品供給体制があるか?
(*このへんは大きな組織よりも中小の方が小回りが利くんでしょう)
5]認可業務のバックグラウンドを持っているか?
口に入れるモノ、肌に直接付けるモノは、安心安全の観点から日本製は好まれます。ただ、それらの商品は政府認可が必要で、頻繁な商品の入れ替えとともに4]のように特需が出た時点で、通常認可業務を行っていたのでは商品が販売できるのは半年ほども後のことです。EC事業体のバックグラウンドも重要です。
(*北京での許認可代行は弊社の得意分野なんですが、認可の場合はやはり北京にルートを持ってるか否かがポイント)
6]コールセンターで柔軟かつ迅速な対応ができるか?
コールセンターで柔軟かつ迅速な対応ができないと中国人の顧客満足度は上がりません。中国人消費者にとってコールセンターの対応はホント重要ポイントです。
(*対応に不満があると、すぐにネットに書き込まれてしまう)
7]値引き交渉に応じるか?
ECと言えどもロットでまとめて注文するから値引きしろ!という交渉に対応するか、しないかというのも重要な要素です。値引きしないと対応が悪いとなり、値引きすると、それを安くC to C市場なんかに流されることがあります。
(*6]と同じで柔軟な対応ができるかどうかなんでしょうが、後者が心配であれば、まとめ買いの場合にポイントを大きく還元するなどの対応を事前に決めておけばいいこと)
9]認知度をアップする手段を持っているか?
重要なポイントの一つで、認知度が低いと無数にあるECサイトの中では埋もれてしまいます。中国での効果的なプロモーション手段を計画的に実行できるかどうかです。
(*確かに資金力に左右される部分もありますが、3]で書いた通りターゲットを絞ることで無駄なプロモーションコストをかけなくても効果的な方法はあるんですが。。。)
10]信用度のアピール
中国人は基本的にネット通販を信用してません。なので、いろんな手段を使ってサイトの信用度を消費者にアピールしていかなければなりません。1]〜9]の何を再重要ポイントとし、それを中心に戦略を練っていくことで基本的に日本の商品(Madein Japan)そのものは高い信用度があるので、勝機を掴むことができると思います。
(*少なくとも1,2年は信用度と知名度を上げることにひたすら専念できるかどうかも勝機の分かれ目)
事業主体が実際に商品を売って利益(手数料なり)を得るビジネスモデルなのか、加盟店から収益(加盟料など)を得るビジネスモデルなのか、会員数獲得により収益(広告、横展開など)を得るビジネスモデルな、または、それらの複合なのか、いづれにせよ商品自体が売れないと継続していくのは難しいと思います。
今運営してるサイトも、これから運営を予定してるサイトも、どんな商品を扱って、どんな戦略を立てていくのか、私はじっくり見させてもらおうと思ってます。
PS.
実は、弊社もそのうちの1社に絡んでいるんですが、ECサイトそのものには全く無関係の事業戦略として提携させてもらってます。
そのうちアナウンスさせてもらおうと思ってますが、中国ならではの戦略です。
お楽しみに。

